
「中山」「籠やぶり」「焙炉(ほいろ)じまい」
新茶の季節、茶の製造の折り返しの日を「中山(なかやま)」と呼び、従事いただく方の労をねぎらいます。また、茶摘みを終えると「籠やぶり」、製茶を終えると「焙炉じまい」という宴席を設ける風習があります。概ね5月の約一ヶ月間で終わる一番碾茶を製造する当園では、毎年5月中頃の中山に「茶団子」などのお菓子をお渡しし、5月の末頃、お茶摘みや碾茶荒茶の製造が終わりを迎える際、お茶摘みさん、焙炉師さんそれぞれと慰労会を開催しています。無事茶摘や製茶を終えられた感謝をお伝えし、交流を深める伝統行事です。今年も無事、和やかにその場を迎えることができました。
茶づくりの伝統技術、審査と合組。
摘採した生芽を、蒸して乾燥させ碾茶荒茶を製造する工程については、前編にてご紹介いたしました。当社で販売する抹茶用の碾茶荒茶は、自園のほか、山城地域など長くお付き合いさせていただく茶生産家からの仕入れ、入札などが中心です。その品質は様々で、その特徴を上手く捉え、適切に合組する技術が必要です。値入れ価格を決める審査は碾茶荒茶、抹茶の合組は仕上茶(葉肉だけに選別したもの)の抽出液で行います。抹茶を点てるより、繊細に味向きを判別できるのです。
「新茶ブレンド」のわけ。
山政小山園は通年販売の抹茶において、新茶に切り替わる6月以降も、一部低温熟成させ保管しておいた昨年度の古茶(ひねちゃ)をブレンドしています。「新茶」でなく「新茶ブレンド」としてお届けするそのわけ。それは「美味さ、ありき。」の信条のもと、熟成した風味をブレンドすることにより、「新茶」の爽やかな味わいに深さとまろやかさを加えることにあります。
この時季だけの、新抹茶の味わい。
今年の5月の摘みたての新芽だけを使用した「新抹茶」は5月16日より販売しております。この季節だけの爽やかな味わいを、ぜひお楽しみ下さい。
